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定礎(じょうせき)

有限会社定岡石材工房(通称、定岡石材)の建築石材部門における観賞用石材加工品「定礎(じょうせき)」


過去においての定岡石材では、石材加工品の「お地蔵さん」が主力であったが、1970年代には需要が激減し、それに伴い新たな主力製品として「定礎(じょうせき)」を発表。


「定礎(じょうせき)」は、定岡石材の創業者が趣味としていた囲碁の碁盤をヒントにデザインされ、 ある局面において最善と考えられる手を行った場合の一連の手のことを指す「じょうせき」という言葉から製品名が名付けられたといわれている。


近年では、石材価格の高騰により建物の壁に貼り付ける簡易型のタイプが主流であるが、発売当初は据置き型として大型の「定礎(じょうせき)」がビルの玄関先に設置されることが多かった。

さりとて、製品を発表して直ぐに人気製品に成りえたわけではなく、主に一般家庭を販路としていた営業では必要価値の面から全く受入れられなかった。

しかし、期せずして某大手企業から発注の申し込みがあったのを境に、法人向け製品へと改良を行い販路が急速に拡大することとなる。


現在における「定礎(じょうせき)」は定番以外のバリエーションを重視しており、石版を用いた簡易型はもちろん、 金属パネルをベースにしたタイプ、関係者の手形を掘り込んだメモリアルタイプなど多彩な品揃えを誇る。 今後も比較的安定した需要は見込めるが、多様化する顧客のニーズにいかに対応していくかが問われている。


また、「定礎(じょうせき)」はオブジェとしての役割だけに留まらず、定礎箱と呼ばれる物の中に宝物を入れて建築の際に一緒に施工するという風習もある。

したがって、ビルの壁に張り付いている「定礎(じょうせき)」の中にはお宝がドッサリと入っていることになる。 具体的には、ダイヤモンドやサファイアなどの宝石、延べ棒や大判小判などの金、あるいは宝の場所を示す秘密の地図などがザックザクと納められている。

これらのお宝を取り出すには、壁の「定礎(じょうせき)」パネルを取り外せばよい。しかし、外したが最期、瞬時にビルが崩壊するトラップが仕込まれているのである。


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