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三河屋(みかわや)

三河屋とは、御用聞きするタイプの酒屋の総称。

御用聞きと言えば聞こえは言いが、実際のところ何のことはない訪問販売の一種。


三河屋という呼び名は、天下りで組織された全日本酒問屋組合に加入すれば自由に使用できる。 未加入の経営者が顧客から勝手に「三河屋さ〜ん」と習慣的に呼ばれた場合は強制加入が適用される。 なお、加入金は公表されては入ないが一説には1,000万円超とも言われている。


三河屋は、一店舗につき店主とその妻、それに従業員一名のわずか三人体制でマーチャンダイジングの全般が行える精鋭により組織しなければならない。 店舗により異なるが、売上げの構成比は飲食店等の法人関係への卸しが約50%、一般家庭への訪問販売が約40%、残りが店頭販売やその他となっている。


主な経営戦略は店主が行い、経理や庶務全般はその妻が行う。 売上げの大半は従業員の力量に委ねられているため採用後の初期教育の徹底は業界でも有名。


基本的に年中無休の営業を行うため従業員に対して休暇を与えるという概念が無い。 従業員にとって雇用関係を維持するには店舗に対しての献身的な姿勢こそが大切で、自己都合により店舗運営に支障を及ぼす行為は許されない。 過去に婚活のため郷里に帰省した従業員が後日解雇されたと言う有名な話が今でも語り継がれている。

なお、従業員には本名とは別に、三平あるいは三郎など三河屋の「三」にちなんだ名前が与えられる決まりがある。 また、これは単なる迷信に過ぎないのだが三平は縁起が悪いとして避けられる傾向にある。


冒頭にも述べた通り三河屋とは総称なので本来は別の店舗名を持っている。 例えばそれは、山田商店だったり雄町酒店だったりするわけだが消費者の多くはそれを知らない。

場合によっては、何らかの事情で顧客宅へ電話をしなければならない時に、 「山田商店ですが・・・」と正式な店舗名で名乗ってしまうと消費者が一瞬誰からの電話だ分からず不信に感じたり、 三河屋との距離を感じることがあるので正式な名称で名乗ることはまず無い。


なお、三河屋という名称の由来は、信濃川、利根川、石狩川の日本三大河川からヒントを得たとされており特に意味があるものではない。


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