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柿落とし(こけらおとし)

プロレス技の1つ。


右腕、あるいは左腕を真っ直ぐ上げた状態のまま手は拳を握り、そのまま拳を相手の脳天をめがけて振り下ろす技。 比較的シンプルな技ではあるが、それだけに破壊力は凄まじく場合によっては相手を絶命させることもあるという。


テレビ中継のとき、選手が「柿落とし」を相手に繰り出しているシーンを見ると誰でも簡単にできそうな技のように思える。 しかし、訓練を積んだプロレスラーがやるから簡単そうに見えるだけであって、一般人が同じ技を使ったところで相手にダメージを与えるには至らない。 また、非常に危険が伴うため一般人は絶対に真似をしてはならない。


「柿落とし」は、メキシコで誕生した技だと言われている。


メキシコでは「ラ・ココナッツ・クラッシャーノ」と呼ばれ、ヤシの実を頑丈なハンマーで叩き割るイメージで名付けられている。 それを、当時メキシコ遠征中だった無名の若手選手が習得し、凱旋帰国してから日本のマット界に広めたのではないかと考えられている。

※技を持帰った人物が誰なのかは明らかになっていない。


なお、技が導入された昭和初期はココナッツ自体が一般庶民には全く普及していなかったため、 馴染み深い「柿(かき)」を用いた名称に変更したそうだ。一説には昔話の“猿蟹合戦”からヒントを得たとも言われている。


実際に「柿落とし(こけらおとし)」が頻繁に使われていたのは、日本のプロレス創成期からしばらくの間だけであって、 彗星の如く現れたジャイアント選手が、握り拳だったところを手刀に改良し威力を増した“馬場チョップ”を発明して以降は 技の難易度が高まり過ぎてしまい習得できる選手がいなくなってしまった。


1999年にジャイアント選手が惜しまれつつ旅立ってからは技の指導者が不在となり、加えて発祥地のメキシコでも随分以前からプロレスのスタイルが飛び技がメインのルチャリブレが本格化しているため 「柿落とし」の使い手は誰一人存在していない。


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